ゲーム会社の選考では、履歴書や面接だけでなく、筆記試験・技術テストが合否を左右するケースが少なくありません。この記事では、出題パターン・難易度・職種別の準備方法を整理して解説します。読み終えると、自分の職種に合った対策を今日から始められます。
ゲーム業界の選考フローは一般的な企業と異なり、プログラミング課題・デザイン課題・企画書制作など、職種に応じた実践的な試験が組み込まれていることが特徴です。準備なく臨むと、スキルがあっても試験形式に戸惑い、本来の実力を発揮できない場合があります。
こんな方にオススメ
- ●ゲーム会社の選考を控えており、筆記試験・技術テストの内容を事前に把握したい方
- ●職種別(プログラマー・デザイナー・企画)の具体的な対策方法を知りたい方
- ●異業種からゲーム業界への転職を目指しており、選考プロセス全体を理解したい方
この記事を読むと…
- ●ゲーム会社が実施する筆記試験・技術テストの種類と出題傾向が分かる
- ●職種別(エンジニア・デザイナー・企画・プランナー)の効果的な準備方法が分かる
- ●試験当日に陥りやすいミスと、その回避策が分かる
ゲーム会社の選考に「筆記・技術テスト」が多い理由

ゲーム会社が選考で筆記試験や技術テストを重視する背景には、実務直結のスキル確認という目的があります。一般的な企業が「人柄・思考力・コミュニケーション能力」を重視するのに対し、ゲーム会社はより「作れるか・動かせるか」という点を選考段階から測ろうとする傾向があります。
ゲーム会社って面接以外にもテストがあるんですね。どんな目的で実施しているんでしょう?
ゲーム会社はチームで制作する仕事なので、「この人と一緒に作れるか」を確認したいんです。口頭だけでは分からないスキルを、実際に手を動かして見せてもらう場が技術テストです。
一般企業と異なるスキル重視の採用方針
ゲーム開発は、プログラマー・デザイナー・企画・サウンドなど複数の職種が密接に連携する共同制作です。一人ひとりが「実際に動くアウトプット」を出せるかどうかが、プロジェクト全体の品質に直結します。そのため、採用側も「実力の可視化」を目的として技術テストを設ける企業が多い傾向があります。
SPIなど適性検査との組み合わせが一般的
多くのゲーム会社は、SPI・玉手箱・TG-WEBなどの一般的な適性検査に加えて、職種固有の技術テストを組み合わせて実施します。適性検査は「基礎的な論理力・言語能力・計数能力」を測り、技術テストは「職種に必要な専門スキル」を確認するという役割分担です。特に新卒採用では適性検査の比重が高く、中途採用では技術テストの比重が高くなる傾向です。両方の対策が必要である点は、一般企業の選考と大きく異なります。
試験の実施タイミングと選考フロー
筆記試験・技術テストが実施されるタイミングは企業によって異なります。書類選考の通過後に実施するケース、一次面接と同日に実施するケース、さらには最終面接前の実技審査として設けるケースなど、選考フローはさまざまです。応募前に採用ページや求人票で「選考ステップ」を確認しておくと、準備のスケジュールを組みやすくなります。
出題パターン別:ゲーム会社の筆記・技術テスト全体像

ゲーム会社の試験は大きく「適性検査(一般学力系)」「専門技術テスト」「クリエイティブ課題」の3種類に分類できます。職種によって重点的に課される試験の種類が異なるため、まず全体像を把握することが重要です。
適性検査(SPI・玉手箱・TG-WEB)の概要
一般的な適性検査は、ゲーム会社でも多くの企業が採用しています。特に大手・中堅ゲーム会社の新卒採用ではSPI(非言語・言語・性格)が主流です。
出題内容は「語句の意味・文章読解・四則演算・確率・推論」など、業界を問わず共通の形式です。対策としては市販の参考書(例:SPIノートの会シリーズなど)を活用した反復練習が一般的な対策法です。
専門技術テストの出題傾向(エンジニア向け)
エンジニア職を目指す場合、コーディングテストや数学・物理問題が課されるケースがあります。アルゴリズムの効率性(計算量オーダー)、データ構造の選択、簡単なゲームロジックの実装など、ゲーム開発に近い内容が出題される傾向があります。一部の企業ではオンラインのコーディングプラットフォーム(LeetCode・AtCoderなどで練習できる形式に近い問題)を使用することもあります。
クリエイティブ課題の特徴(デザイン・企画向け)
デザイナー・企画職では、ポートフォリオ審査やその場での制作課題が課されることがあります。たとえば「指定のゲームジャンルのUI画面を2時間でデザインする」「既存ゲームの改善企画書を1枚にまとめる」など、実際の業務に近い形式が多いです。クリエイティブ課題は「正解」がなく、思考のプロセスと表現力が評価されます。
職種別:筆記・技術テストの内容と準備方法

エンジニアはAtCoder ABCレベルのアルゴリズム演習、デザイナーはポートフォリオの質向上、企画はゲーム分析の言語化が最優先の対策です。職種によって求められる知識と形式が大きく異なるため、以下で職種ごとに整理します。
プログラマーとデザイナーでは、全然違う試験が来るんですよね?具体的にどう違うか教えてほしいです。
そうです!エンジニアはコーディングと数学が中心、デザイナーはポートフォリオと制作課題、企画はゲームの分析力と論述が中心です。受ける職種に合わせた対策が必要です。
【エンジニア職】コーディングテスト・数学・アルゴリズム
エンジニア職の技術テストで頻出するのは、アルゴリズム問題・データ構造・数学(線形代数・確率・物理)の3領域です。ゲーム開発では、当たり判定・物理シミュレーション・レンダリング最適化など数学的な処理が多く、基礎的な数学力が問われます。
コーディングテストでは、特定の仕様を満たすプログラムを実装する課題が一般的です。使用言語はC++やC#が多く、UnityやUnreal Engineでの実装経験が問われるケースもあります。
準備としては、AtCoderのABC(AtCoder Beginner Contest)レベルの問題を繰り返し解くことが有効です。また、3Dゲーム開発に必要なベクトル・行列演算の復習も並行して行うと良いでしょう。
| 出題カテゴリ | 主な内容 | 準備の目安 |
|---|---|---|
| アルゴリズム・データ構造 | ソート・探索・再帰・グラフ問題など | AtCoder ABCレベルを週3題以上 |
| 数学(線形代数・確率) | ベクトル・行列演算・衝突判定の計算 | ゲーム数学の参考書で1〜2章復習 |
| コーディング課題(仕様実装) | 指定仕様のゲームロジックをコードで実装 | GitHubに自作コードを公開しておく |
| 言語・エンジン知識 | C++・C#・Unity・Unreal Engineの基礎問題 | 使用エンジンの公式ドキュメントで基礎確認 |
【デザイナー職】ポートフォリオ審査・制作課題
デザイナー職(グラフィック・UI/UX・3Dモデラーなど)では、ポートフォリオ審査が最重要の評価軸となります。技術テストとしては、指定テーマでのキャラクターデザイン・UI画面の制作、または既存素材を使ったゲーム画面のレイアウト修正課題などが出題される傾向があります。
制作課題では完成度よりも「思考のプロセス」が評価されるケースが多いです。「なぜそのデザインにしたか」を言語化して提出物に添付できると、選考担当者に意図が伝わりやすくなります。ポートフォリオはゲームジャンルや応募先の作風に合わせた作品を前面に出す構成を意識しましょう。
3Dモデラーとして転職を検討している方は、3DCGモデラーに未経験からなるには?始め方・年収・ツールの記事も参考になります。使用ソフトウェア(Blender・Mayaなど)の基本操作確認も試験準備の一部として取り組んでおくと良いでしょう。
【企画・プランナー職】企画書提出・論述・ゲーム分析
企画・プランナー職では、ゲームの企画書作成・既存ゲームの改善提案・論述試験が課されるケースが多くあります。「好きなゲームを1つ選んで改善点を3つ挙げよ」「新規スマホゲームの企画書を1枚で提出せよ」といった課題形式が一般的です。
評価のポイントは「ゲームの構造を論理的に分解できているか」「ターゲットユーザーと市場を意識した提案ができているか」という点です。お気に入りのゲームを1〜2本ピックアップし、「どのようなユーザー体験を設計しているか」「収益モデルはどうなっているか」を自分なりに言語化する練習を積んでおくと、試験時に対応力が高まります。
難易度と傾向:企業規模・職種別の比較

技術テストの難易度は、企業規模・採用形態(新卒/中途)・職種によって大きく異なります。一般的な傾向として、企業規模が大きいほど選考ステップが多く、技術テストの難易度も高くなる傾向があります。
規模帯ごとに出題レベルの目安を示すと、インディー・中小はポートフォリオ審査や簡単な実装課題が中心で、競技プログラミングでいえばAtCoder ABC前半(Rated 0〜400相当)程度の基礎問題が多い傾向です。中堅ゲーム会社ではアルゴリズム問題の比重が増し、ABC中盤(Rated 400〜800相当)レベルの問題が出ることがあります。大手ゲーム会社・メガベンチャー・グローバル企業では、数学(線形代数・確率)や設計力まで問われる高難度な問題が出題されるケースもあります。
新卒採用と中途採用での試験の違い
新卒採用では適性検査(SPI等)の比重が高く、技術テストは「基礎的な実装ができるか」を確認する程度に留まる企業も多い傾向です。一方、中途採用では即戦力を求めるため、技術テストのレベルが上がる傾向があります。エンジニアであれば「既存コードのバグ修正」「最適化の提案」など、より実務に近い課題が出題されることもあります。
オンライン選考とオフライン選考の違い
コロナ禍以降、技術テストをオンラインで実施する企業が増えました。オンラインの場合は自宅環境で課題を行うため、参考資料の使用可否やツールの制限が企業によって異なります。
事前に「何を使用して良いか」「提出物の形式はどうか」を確認しておくことが重要です。オフライン(会場)での実施では、手書きでのコード記述が求められる場合もあります。
職種別の試験難易度の目安
| 職種 | 主な試験形式 | 難易度感(傾向) | 必要な準備期間目安 |
|---|---|---|---|
| プログラマー(ゲームエンジニア) | コーディングテスト・数学・物理問題 | 高め(特に大手) | 1〜3ヶ月 |
| グラフィックデザイナー・3Dモデラー | ポートフォリオ審査・制作課題 | 中〜高(作品の完成度次第) | ポートフォリオ制作に2〜6ヶ月 |
| UI/UXデザイナー | 画面デザイン課題・ユーザーフロー設計 | 中程度 | 2〜4週間 |
| ゲームプランナー・企画職 | 企画書・論述・ゲーム分析 | 中程度(論理力重視) | 2〜4週間 |
| サウンドデザイナー | 音源提出・制作課題(実施しない企業も多い) | 実施企業は少なめ | 作品集の整理に1〜2ヶ月 |
筆記・技術テスト対策の進め方:ステップ別
対策を効率よく進めるには、試験の全体像を把握してから「自分に必要な準備」を逆算する流れが有効です。漠然と参考書をこなすより、受ける企業の職種・選考フローに合わせた準備が合格への近道です。
- 応募先の選考フローを事前に調査する
採用ページ・求人票・口コミサイトなどで選考ステップ・試験の有無を確認します。試験の有無・形式が分かるだけで準備計画が立てやすくなります。 - 職種別の出題傾向を把握する
本記事の職種別セクションを参考に、自分の職種で何が課されるかを整理します。エンジニアであればコーディング・数学、デザイナーであればポートフォリオ、企画であれば論述が中心です。 - 弱点領域の基礎を固める
エンジニアはAtCoderなどで演習・数学の復習、デザイナーはポートフォリオの見直し・制作課題の練習、企画はゲーム分析と企画書の反復練習を行います。 - 時間内に解く練習を繰り返す
試験には制限時間があります。過去問・類似問題を使って「時間配分の感覚」を身につけておくことが重要です。特にコーディングテストは、正解のコードを書けても時間が足りないケースがあります。 - アウトプットを第三者にフィードバックしてもらう
デザイナー・企画は特に「自分では気づかない評価の漏れ」があります。ポートフォリオや企画書を業界に詳しい人にレビューしてもらうと、試験前の修正機会になります。
POINT
対策期間の目安は「エンジニアは最低1ヶ月・デザイナーはポートフォリオ次第で2〜6ヶ月・企画は2〜4週間」が一般的な傾向です。応募スケジュールから逆算して準備を始めましょう。
よくある失敗パターンと試験直前の対策
技術テストで実力を発揮できなかったケースの多くは、準備不足よりも「試験形式の把握不足」によるものです。自分のスキルは十分あっても、形式に慣れていないと本番でパフォーマンスが落ちることがあります。
- 試験時間を把握せずに臨み、途中で時間切れになる(特にコーディングテスト)
- 使用言語・ツールの制限を確認せず、本番で使えないツールを前提にしていた
- デザイン課題でプロセスの説明を省いてしまい、思考が伝わらなかった
- 企画書の文字量が多すぎ・少なすぎで、採用担当者が読みにくい状態で提出した
- ポートフォリオに応募先の作風と合わない作品を多く入れてしまった
コーディングテストで注意すべき点
コーディングテストは「正解のコードを書けるか」と同時に、「読みやすいコードを書けるか」も評価される傾向があります。変数名の命名・コメントの有無・処理の分割方法なども採点対象になるケースがあります。また、部分点を意識して「完璧な解答より、動くコードを時間内に提出する」姿勢も重要です。
デザイン課題でプロセスを言語化する重要性
ゲーム会社のデザイン課題は、完成した制作物だけでなく「なぜこのデザインにしたか」という思考過程が重視されます。提出物にコメントや説明文を付け加える、または制作物とは別にA4一枚程度の思考メモを添付することで、意図が伝わりやすくなります。「見た目の良さ」だけでなく、「プレイヤー体験をどう改善しようとしたか」という視点を示すことが評価につながります。
企画書・論述試験の準備のコツ
企画・プランナー職の論述試験では、「短時間で論理的に構造化して書く力」が求められます。PREP法(結論→理由→具体例→まとめ)の構成に慣れておくと、限られた時間内でも読みやすい企画書や論述が仕上がりやすくなります。また、普段からよくプレイするゲームを「なぜ面白いのか・なぜ収益が上がるのか」という視点で言語化する習慣をつけておくと、本番の分析課題に対応しやすくなります。
まとめ:職種別の準備チェックリスト
ゲーム会社の筆記・技術テストは、職種によって求められる準備が大きく異なります。「ゲーム会社の試験対策」を一括りにするのではなく、自分の職種・応募先の規模・採用形態(新卒/中途)に合わせた準備が重要です。
以下に職種別の準備チェックリストをまとめます。受ける前に確認しておきましょう。
【全職種共通】応募先の選考フローを事前に調査している
【全職種共通】SPI・玉手箱などの適性検査対策(参考書1冊分の問題演習)を終えている
【エンジニア】AtCoderなどでアルゴリズム問題を週複数題こなしている
【エンジニア】ゲーム数学(ベクトル・行列・確率)の基礎を復習している
【デザイナー】応募先の作風に合わせてポートフォリオを見直している
【デザイナー】制作課題でプロセスを言語化して提出する練習をしている
【企画・プランナー】好きなゲームの分析(面白さ・収益モデル)を言語化できる
【企画・プランナー】企画書をA4一枚で簡潔にまとめる練習をしている
ゲーム業界の大手・中堅企業は選考フローが複数ステップにわたることが多く、技術テストの通過が面接への登竜門となるケースもあります。非公開求人を含む幅広い選択肢から応募先を探しつつ、選考対策のサポートを受けたい方は、ゲーム・アミューズメント業界に特化したシリコンスタジオ エージェントを活用することも選択肢のひとつです。
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